塗膜の仕上がりを左右する乾燥とは  ~樹脂塗装編~


金属塗装編では、金属塗装全般の乾燥条件についてお話しいたしました。
一方、樹脂塗装における乾燥条件では、金属塗装に比べ素材の違いや求められる品質の高さから、
<シンナーの選定>では皆さん苦労をされていることでしょう。

 

① 溶剤(シンナー)はどのように選定していますか?

樹脂塗装における溶剤(シンナー)の選定では、塗料に対する溶解力が十分であることはもちろん、
季節や作業現場の温度に適した揮発性のものを選定する必要があります。
気温が高く溶剤が揮発しやすい場合にはスローシンナー(遅乾型)を、逆に気温が低い環境では
クイックシンナー(速乾型)を選定します。

メタリック塗料はこれに加え、輝材の仕上がりにも揮発の早さ(遅さ)が影響しますので
併せて検討する必要があります。

また、金属塗装の溶剤選定と大きく異なる点として、素材に対するアタック性を考慮しなければなりません。
必要以上に溶解力の高い溶剤を使用すると、塗装をした際に溶剤が樹脂素材を侵してしまいます。
結果として、<クラック><曇り>が発生するなどの不良原因となります。

以上の通り、樹脂塗装における溶剤選定では「塗料の溶解力」「揮発の早さ」「素材へのアタック性」
の3点を考慮する必要があります。

 

② 乾燥温度は適切ですか?

樹脂用塗料の乾燥温度は、一般的な金属用塗料に比べ低く設定されています。
常温乾燥にて仕上げる場合もありますが、ゴミブツ対策や生産性向上のために強制乾燥を行う場合があります。

素材の耐熱温度によって異なりますが、例えば2液型アクリルウレタン樹脂塗料では
60℃~80℃×20分程度の強制乾燥が一般的です。
これは熱による変形を防ぐための上限温度となっています。

樹脂材の種類は多様多種です。対象物によって塗料の塗装仕様が異なりますので事前に塗装仕様を確認の上、
メーカーが推奨する条件を元に現場の環境に合わせた乾燥温度の設定を行いましょう。

 

③ 湿度の管理は適切ですか?

上記のように強制乾燥を行う場合は考慮の必要はさほどありませんが、
自然乾燥を行う場合は湿度の管理も重要となります。

特に2液型アクリルウレタン塗料や1液アクリル塗料などでは湿度が高すぎると
<かぶり><艶ムラ><硬化不良>など多くの不良原因となります。
逆に湿度が低すぎると静電気の発生原因となります。湿度のバラツキは様々なトラブルの元となります。

これらの塗装不良が多い場合には湿度にも注目して管理してみてください。

 

 

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