粉体塗装について
4. 粉体塗装の前処理とプライマーについて
前処理について
粉体塗装とは言え特殊なものではありません。溶剤系塗装と同様の工程と考えて頂いて構いません。
一般的な板金製品に使用されているSECC(電気亜鉛メッキ鋼鈑)などの防錆処理鋼板については、基本的に脱脂のみで直接粉体塗装が可能です。配電盤、金属キャビネットなどに使用されることの多いSPCC、SHCC(圧延鋼板)の場合は、脱脂後リン酸亜鉛またはリン酸鉄処理などの化成処理をお勧めします。ステンレス、アルミなどの非鉄金属の場合は、エッチング処理やノンクロメート処理など金属に合った下地処理、前処理が必要になります。
プライマーについて
溶剤塗装と同様、「より高い防錆性能の付与」「より安心な付着性の確保」のためにプライマーが使用されます。種類としては溶剤系プライマーと粉体プライマーの2種類に分けられます。
溶剤プライマーは、一般的に一液特殊変性エポキシ塗料が使われています。プライマーの塗装後に粉体塗装が可能ですが、2コート1ベークタイプと2コート2ベークタイプがありますので、使用に際し注意が必要です。
粉体プライマーは、主にエポキシ樹脂粉体が使われることが多く、密着性や防錆性に優れた下地が得られます。厚膜指定の粉体塗装では特に有効です。また、より高い防錆性が必要な場合は、ジンクパウダーの粉体塗料があります。こちらを使用することにより溶融亜鉛メッキに匹敵する防錆性を得られることができます。
粉体塗装においても前処理やプライマーの選定は重要なファクターといえます。粉体塗装のメリットを十分に活かすためにも、塗装される製品の主要用途に合ったものを選択しましょう。