特定化学物質障害予防規則・作業環境測定基準等の改正

エチルベンゼンに続いてスチレン、メチルイソブチルケトン、塩化メチレン、トリクレン、
パークロが特定化学物質の指定となりました。

特定化学物質障害予防規則(以下、特化則)にメチルイソブチルケトン(MIBK)、スチレン、
塩化メチレン、トリクレン、パークロルエチレン等が新たに指定され、
労働安全衛生法施行令および労働安全衛生規則等の一部を改正する政省令が
11月1日より施行されました。

塗装・印刷等の分野ではメチルイソブチルケトン(MIBK)、スチレン等について、
金属・レンズ洗浄との分野においては、ジクロロメタン(塩化メチレン)、
テトラクロロエチレン(パークロルエチレン)、トリクロロエチレン(トリクレン)等に
ついて、エチルベンゼン(キシレン中に含有)の特定化学物質指定の際と同様の
対応が求められることになりました。

◆ 規制対象となる有機溶剤10物質 ◆
新たに特化則での規制対象となる特定化学物質にしていされたのは、

① クロロホルム
② 四塩化炭素
③ 1,4-ジオキサン
④ 1,2-ジクロロエタン(1,2-ジクロルエタン、別名二塩化メチレン)
⑤ ジクロロメタン(ジクロルメタン、別名二塩化メチレン)
⑥ スチレン
⑦ 1,1,2,2-テトラクロロエタン(1,1,2,2-テトラクロルエタン、別名四塩化アセチレン)
⑧ テトラクロロエチレン(テトラクロルエチレン、別名パークロルエチレン)
⑨ トリクロロエチレン(トリクロルエチレン)
⑩ メチルイソブチルケトン(MIBK)

の10物質です。

この中で塗装・印刷分野に関係してくる物質は、既に対象となっているエチルベンゼンに加え、

⑤ ジクロロメタン(ジクロルメタン、別名二塩化メチレン)
⑥ スチレン
⑩ メチルイソブチルケトン(MIBK)


ジクロロメタン(塩化メチレン)は、一部の塗料剥離剤に含有、スチレンは主にポリエステル系パテに
含有、メチルイソブチルケトンはエチルベンゼンと同様に塗料・インクの内部溶剤や希釈シンナー
などに含有しています。

金属・レンズ等の分野に関係してくる物質は、

⑤ ジクロロメタン(ジクロルメタン、別名二塩化メチレン)
⑧ テトラクロロエチレン(テトラクロルエチレン、別名パークロルエチレン)
⑨ トリクロロエチレン(トリクロルエチレン)


ジクロロメタン(塩化メチレン)、テトラクロロエチレン(パークロルエチレン)、

トリクロロエチレン(トリクレン)等は脱脂洗浄剤として使用されています。
ジクロロメタン(塩化メチレン)は一部の剥離剤や接着剤に含まれています。

◆ 具体的な規制、措置内容 ◆
今回の改正省令では次のような措置内容を要求されています。
いずれも昨年1月に追加指定されたエチルベンゼンと同様の内容となります。

1.作業記録の作成
2.特殊健康診断結果、作業環境測定および評価結果、作業記録の30年間保管
3.名称や人体に及ぼす作用などの掲示
4.事業廃止時の記録の報告
5.含有率(裾切り値)の5%~1%への見直し
6.作業主任者の選定


エチルベンゼンの特化則対応の時と同様に、一部の規定には施行後の経過措置が取られておりますが、
各作業現場においては適切な局所排気装置の設置や、保護具の着用、作業記録の作成、
特殊健康診断と作業環境測定の実施など、より一層コンプライアンスの強化が求められております。

弊社では、設備面での環境改善、保護具の提案、作業環境測定サービス、代替溶剤、
代替洗浄剤、代替塗料等のご提案をさせていただいております。

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平成26年11月の特定化学物質障害予防規則・作業環境測定基準等の改正

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