「塗布と塗膜」掲載『韓国塗料メーカー最大手KCC Corporation 世界をリードする水性化技術の魅力』

工業塗装の未来へ ~業界クロスオーバー・リレーレポート~ vol.6

 


 

NCC株式会社
取締役副社長 押金輝人

 


 

 韓国KCC社の工業用粉体塗料「KARUMEL」と自動車補修用水性塗料「SUMIX」の日本展開にあたり、パートナーシップを結んだ塗料商社NCC株式会社はKCCの工場視察で感じた魅力と今後の展開について語る。

 

1. 韓国工場視察で感じた魅力

 2019年8月KCC社(韓国、安城市)を訪れ、新設されたオートリフィニッシュR&Dトレーニングセンターを視察しました。水性塗料「SUMIX」の習熟に向け、技術トレーナーが未経験者から上級者の技術向上をそれぞれのレベルに合わせた適切なプログラムでサポートしていきます。業界の活性化と顧客目線で設計されたサポート体系は日本にはない魅力を感じました。

技術の習得は、作業効率の向上とセットで考えられており、トータルコストの削減に焦点が当てられているからです。最新設備の完備、1泊2日~最大1週間の日程で技術レベルや目標に合ったカリキュラムが組まれ、参加者の全てに教育が行き届くよう最大8人の制限を設けています。更にシャワールームの設置や宿泊者専用の寮、食事のサポートがあり、これら全てを納得するまで何度でも「無料」で受講することができます。費用負担なく技術を磨く環境が整っている点は、迷うことなく技術の向上に集中することができ、業界の発展や次世代の人材育成にも大きな影響を与えると思います。

 

▲トレーニングセンター内観

 

もう一つの魅力は「地域貢献」です。KCC中央研究所と大学が、学生向けに塗装や自動車に関連する授業カリキュラムを構成、教育トレーニングを行っています。その目的は、塗装業界の魅力や将来を担う若年者への期待を伝え、数年後にこの業界で活躍する人材を育成することです。実際にこの活動から、KCC社への入社を決めた学生が多数います。産学の連携で塗料に触れる環境を提供することは、業界の発展・社会への貢献に向けて日本も見習うべきだと感じました。

▲中央研究所

 

2. 日本展開への使命

海外製品に先入観を持つケースは少なからずあることでしょう。KCC社製品の展開には、物流、在庫、品質、技術面などの機能や課題をクリアしなければなりません。特に技術面におけるトレーニングセンターの開設は必須であり、トレーニングの場やアフターフォローがなければユーザーの不安を募ります。トレーナーの確保や万全なサポート体制は必要不可欠です。

他国では、ディーラーがKCC社で技術を習得し、アドバイザーとしてユーザー展開を図っています。日本の事情を知る我々NCCがその役目を担い、ユーザーにとっての安全と安心を担保し、不安を取り除くことが中期的な使命です。

 

3. 業界に新しい風を

外資系技術の認知度が低い原因は、我々ディーラーの情報入手と発信不足にあります。水性塗料は10年前にはすでに韓国市場に展開されていました。国策で普及したその実力は、今や世界トップレベル。日本を秀でる技術があります。

転換期を迎える今こそ、製品の魅力と使用するユーザーの声を、業界紙や展示会出展を通じて伝えることは我々の役目です。

昨年開催された高機能塗料展では、KCC社と共に粉体塗料と水性塗料の日本初出展が実現しました。今年は展示スペースを拡大し、粉体塗料「KARUMEL」を展示します。国内メーカーにはない加飾性に富む常備色のラインナップ、自動車部品やアルミホイールなど非鉄金属素材の保護に使用できるアクリルクリア、難燃規格に適合した環境対応型の絶縁粉体塗料など見どころ満載です。

▲電気自動車部品に使用される絶縁粉体塗料

2020年3月国際オートアフターマーケットEXPOでは、韓国現代自動車で採用されている水性塗料「SUMIX」を展示する予定です。

環境対応で先駆け完成したKCCの技術は、今後の塗料・塗装業界に大きな影響を与えることでしょう。
この魅力ある製品を日本に広めていくにあたり、ご賛同いただけるパートナー様を募っています。ぜひ展示会にてお声掛けください。

 

高機能塗料展
2019年12月4日(水)~12月6日(金)
幕張メッセ NCCブース:4ホール 20-41
出展品 粉体塗料「KARUMEL」ほか

 国際オートアフターマーケットEXPO2020
2020年3月11日(水)~3月13日(金)
東京ビックサイト
出展品 自動車補修用塗料「SUMIX」

 

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